2004年09月19日

『おカネの法則』  大竹愼一著 を読め!


おカネの法則

●  著者はどんなひと?

金融のメッカ、ウォール街の辣腕ファンドマネージャで、長期にわ
たってトップクォーター(成績上位1/4)の成績を収めるという
すごい人。総額1000億円もの金額を運用する。

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●  本書の内容は?
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 世の中はカネが全体の動きを決めるのであって、モノづくりが決
めるのでない。

例えば、モノが絡む貿易決済の量は、為替の市場のなかで5%しか
なく、残りはカネとカネの取引だ。

カネの経済が広がることが、人々の生活水準が大きくなることだ。

会社でも、個人でもこの金の面のチェック、キャッシュフローを考
えて運営していく必要がある。

【1】おカネの法則 会社編

 会社を経営するはじめの段階では、損益が重要だからP/Lを重
視するが、すこし大きくなるとバランスシートのいろんな項目をチ
ェックしないと利益が出なくなる。単に工場の生産性向上とか、社
内の引き締めでは利益はでない。

今の時代で、利益を上げる方法は二つ。キャッシュマージンをあげ
る、そして、総資産回転率を上げていく。

前者のためには、利益率の高い新製品を出すしかないが、後者に関
して言えば、バランスシートの各項目を管理することになる。

経営者の仕事は、元手から生産や販売活動をして、年度末に投入額
よりも多いカネを生み出す。キャッシュフローをプラスにして、さ
らに再投資していくの繰り返し。

攻めでなく、守りの経営。景気の由足でなく、一定の数値基準を守
っていく。

【2】キャッシュフロー経営の原則

苦しくなってもつぶれない経営は、キャッシュフロー経営だ。

まず、売掛債権の回転を早くする。売り掛けを一日でも早く回収す
る努力をする。在庫を一日でもいいから減らしていく。在庫を持つ
ための金利は負債を増やす。

設備投資はキャッシュフローの範囲で行う。いざというときに払え
る額で考える。

借り入れは変動金利で行う。金利の変化を体感できるようにしてお
く。低金利で長期固定で借りたとき、その銀行がつぶれたりすると
、一挙に金利負担ができなくなる。

損切りしてでも不良資産を減らしていく。バランスシートの資産を
減らしていく。債務超過にならないよう早めに切り捨てる。

カネの源泉、つまりお客さんや工場現場で本当の情報をつかむ。い
まの経営はこれに逆行して営業や工場や開発の人間を減らしてスタ
ッフばかりを増やしている。

【3】あなたの資産を守るには?

持ち家は売って、貸し家へ移る。債務超過で破産することになる。
例えば給料が下がるなどがその引き金になる。早めに損切りする。

投資目的の不動産やゴルフ会員権はやめる。収益還元法をつかって
、家賃や地代の利回りを見る。それで本当に自分の不動産が収益を
生んでいるか厳しく判断すべき。

不動産を買うときにカネを借りない。保険を減らせ。保険会社は本
当の所がわからないからいつつぶれてもおかしくない。

銀行預金をやめて、現金やゴールドにかえる。銀行もつぶれる時代
だ。郵貯だって危ない。郵便貯金で投資する財投は大穴が開いてい
る。いずれ、その穴埋めの個人の金をつかおうとするだろう。

その方法が、預金封鎖し、預金をカットして穴埋めに使うという方
法だ。

【4】お金の法則 個人編

まず自分のバランスシートをつくる。そして投資の目的、投資回収
する期間。リスク許容をはっきりさせて、個人個人にあったポート
フォリオを作ろう。

長い目でみてのリスク分散が必要。足元の儲けばかり追ってもうか
ることは少ない。

変動金利で負債をもつことで、市場からの影響を感じ取って、消費
や貯蓄をすべき。

外貨資産をもって、日本円の暴落リスクに備える。その際にはドル
を大目に、そのバランスにユーロをもつ。ちなみにハヤリの豪ドル
は危険であり、為替が一貫して下がっていることに注意。

世界的な視野で資産を配分する。例えば海外のタックスヘイブンへ
預金を一部預けるなどだ。これにより、日本の預金封鎖や円の暴落
に対応できる。

日本円の資産はできるだけ減らしたほうがいいが、その分は外資に
まわしたり、勝ち組の一部の株を買うべきだ。

【5】結局世の中どうなるの?

2割の富裕層と8割の貧困層に分かれる。貧困層はどんどん貧乏に
なるので、ここ向けに商売するとと安くし続けなければならない。

このような二極分化は、今初めてではなく、戦前の大恐慌や、明治
はじめにもあったことだ。これは実は悪いことではなく、経済が発
展する前兆だ。

計量経済分析をすると、経済の発展の初期段階では、所得分配が二
極化していく。そのあと分配の平準化がおきていくことで富が下へ
回るようになる。

アメリカの二極分化はこれ。一方で、スウェーデンやイギリス病の
ように社会主義的な極端な分配をしていくとうまくいかなくなる。

人口問題。確かに日本人種はへるが、中国、アジアからの移民を受
けて、新しい経済成長を支えると考えている。今の外国人犯罪は、
入国の敷居が高すぎることで金がかかるためにおきる。敷居は下げ
るべきだ。また文化的な摩擦もそれほど多くないだろう。

モノづくりは日本の強さだが、とにかく使うものもいらないものも
作っていないと回らない経済だ。

だんだん、「あるものだけを使う経済」にシフトされ、いらないも
のを作らないようにカネでコントロールされていく。これは縮小で
なく、安定成長経済の方向だ。

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●  本書の「学び」 
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この本の学びは「リスクに気がつく」だ。

投資について、「敗者のゲーム」という言葉がある。

投資のマネージャーの世界でも、スポーツの世界でも勝つセオリー
は「自分でミスをしないこと」だそうだ。

つまり、一発狙いのバクチをすることが大きなリスクになって、た
まにはうまくいくかもしれないが、長期的には大負けするというこ
とだ。

本書では、経営と個人資産の両方についての説明をしているが、全
体としてのトーンは同じ。

破綻するようなことにならないように、リスクを分散して、地道に
稼いでいく。一発大ヒットを狙うのではなく、負けないこと。

経済原則に基づいて、バランスシートをきれいにしていくような運
営をする。

個人でいうなら、不動産にカネを突っ込みすぎるリスク、実質財政
破綻していて預金封鎖もありうるに日本円だけにカネをおいておく
リスク、ドルばかりを買うリスク。株をおそれて手を出さないリス
ク。

先をみないで、今すぐのことばかりを考えるリスク。だから金利が
いいというだけで、怪しい金融詐欺にあう。

 先にやりたくないので行動しないリスクもある。

自分で情報収集、自分で自己判断の時代ということですね。




tatsux at 15:35 │Comments(0)TrackBack(0)

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