2004年07月28日
『お金がふえるシンプルな考え方』 山崎 元

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478620504/tyosyakaranom-22
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 著者はどんなひと?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東大をでて、三菱商事から、野村證券の投信会社、生保、外資投信
会社などなどを経て、山一で倒産を経験するなど、ファンドマネー
ジャであったり、投信についての研究だったり、この手の著作を書
いている。
11回も転職しているのも面白い。朝のワイドショーでもたまに出
てきたりします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 本書の内容は?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サブタイトルはマネーのルール24になっている。
世間の投資関連の啓蒙書は、アメリカのそっくりコピーだったり、
この商品を買えば儲かる!という金融商品の広告本たいなものが多
い。
投資先進国のアメリカの本が元だから、必ずしも正しいかといえば
そうでもない。理論はしばしば変更されてきたのだし。
仕事のなかで、理にかなった(学問的には)投資方法をおこなって
きた著者が、個人の投資運用方法の最初のステップを紹介、業界の
非常識ともいうべきルールも紹介。
ちなみに、読み手は地道にお金を増やしていく人むけ。ギャンブラ
ーにはつまりません。
【1】ずばり、個人投資家はどうすればいいのか?
ステップは以下の4つ。
1)家計の状態を点検する。
2)リスク許容度をチェック
3)安全資産とリスク資産を配分する
4)リスク資産の中身の配分を決める。
1)家計の状態の点検
家計の資産、負債、年収、支出を大雑把でいいから確認する。
つまり、バランスシートと、P/L。短期のキャッシングローンが
ある人はそれを返すこと、長期の住宅ローンがある人もこれを返す
のが最優先。
そうしないと破綻するか、資産運用よりも利が高いかどっちか。資
産運用はその後。投資できるのは、年収が支出を上回っていて、最
低給料3か月分くらいの貯金(資産)があるひと。
2)リスク許容度をチェック
いくらまで損をしていいかをチェックする。
リスク資産が30%下落した場合にこの額になるように、リスク資
産を設定する。そのときの年間の期待値も計算してみる。リスク資
産を減らして期待値と、損の額を表にしてみて、好きな配分を決め
る。
3)リスク資産の内訳配分
国内株と外国資産が1:2くらいならプロの投信と似ている。また
、リスク資産全体を日本株のポートフォリオやTOPIX連動イン
デックスファンドでもいい。
4)具体的な金融商品を選び。
そのときの観点はできるだけ手数料や年間の報酬の安いもの。
【2】儲けるよりも、損しないという考え方
投資の基本的な考え方は、まず、リスク、その次コスト、あとは好
み。
まず、大体のリスクを把握するクセを持つ。そして、そのリスクを
自分がとれるかどうかの判断がいる。これは仕事でも同じはず。
長期でも、ドル・コスト平均法でもリスクは減っていかない!
一年で40%減らすよりも長期(4年)で年平均20%ダウンのほ
うが実は大きな損。
よくある、バランスファンドは中身がよくわからないから、本当に
リスクが把握できるか怪しい。
リスクがわからないモノには基本的には手を出さない。
手数料は高いが、これまでの実績が高いという商品がある。将来の
実績はだれも保障できないが、手数料が大きいと、確実にトータル
の実績を引き下げる。
日本の投信でよくある手数料3%は、実はべらぼうに大きい。
【3】お金を運用していくこと。
投資配分を決めたら、基本的には持ち続けることが必要。
しかし、運用は買って、売ることで終わるので、その方針も必要。
ただ、20%あがったら売るという方針は意味なし。
大本の方針は、リスクを取れるかと期待リターンがどのくらいか、
なのだから、リスクが期待より増えた、リターンが期待より下がる
と売るという考え方が本当。
ベンチマークというものがある。株式投信の場合は、日経平均など
と比べて、これより上回った、下回ったで、評価する。日経平均を
下回る、プロの投信を買うぐらいなら、日経平均投信を買うほうが
マシということになる。
自分の資産にもベンチマークを設定しよう。たとえば資産の半分が
日本株ならば、自分のベンチマークは安定資産と日経平均の合算に
するなど。
こうすることで、自分の資産運用の出来不出来がわかりやすくなる
。
【4】日経新聞の金融商品広告はウソばかり?
日経平均で判断するのはやめよう。ベンチマークとして機能するた
めに価値の変わった銘柄を入れ替えることがある、そのときの触れ
幅が大きく、連続的に妥当とはいえない。このタイミングで一部の
証券会社を儲けさせるケースも多々あり、フェアでない。TOPI
Xを使うこと。
外貨投資のリスクは投機みたいなもの。経済学では、それぞれの国
の通貨の金利は為替でバランスがとれるようになる。そうでないと
、日本円はすべて豪ドルになってしまう。だから、本来は同じなの
だが、短期的にはあがったり下がったりする。
これは投機みたいなもの。株はそうではなく、資産価値があがるこ
とで額が上がること。
プロとアマの条件は5分5分になった。ネットトレーディングをす
るのでなければ、日経新聞や四季報、ネットの株式情報があれば、
十分です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 本書の「学び」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この本の学びは「素人とプロの違いは、おもったよりも、ない」。
投資関連の本は山ほどある。
著者いわく、統計を使えばすぐにわかる、「ドルコスト投資」や「
長期ならリスク少ない」のウソを、プロはあちこちで本に書いてい
る。
ホントは知っていて、商品を売るために違う言い方をしているだけ
ではないような気がする。そういう言い方をしている本や大手金融
機関の広告があまりに多いからだ。
プロといって、証券会社に勤めている人が必ずしも投資実績が言い
訳ではない。
逆にサラリーマンなのに自分でいろいろやって、年率16%も出し
ている人もいる。
どっちが信用できるか?
立場を変えて、もし独立起業したとき、自分が何かで人サマからお
金をもらうときに何をもって、「プロ」と考えるかというときに、
思ったよりも敷居は低いかもしれない。
そこら辺は自分が誇りをもってできるかどうかという意識の問題の
ように思える。
メーカーに勤めているから、モノづくりのプロではないし、FPの
資格をもっているから、投資指南のプロでもない。
でも、自分でモノをつくっていて、喜ばれた経験があるならば、そ
して代金をもらったのならば。。。?
常識のウソはどの業界にもある。友人のSさんによれば建築業界は
ウソが多いそうだが、金融業界も偉そうなふりして、結構酷いよう
な気がする。
じゃあ、一般の話がウソなら、この本で書いている常識はホントか
?という健全な疑問がわいてくる。
説明のしかたでもっともらしくも、うそも指摘できる。
ここでも自己責任、自己防衛で学習と自分での判断しかないみたい
だ。
tatsux at 06:33
│Comments(1)
│TrackBack(0)
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by
堀川 邦子
2006年03月27日 21:38








